展示会後記

「第63回文化書道関西展記」

2020年は新型コロナウィルスが世界中に猛威を振るい、不便な生活を強いられ、経済にも多大な影響を及ぼし、コロナに翻弄された1年でした。

そんな中、令和2年4月に開催予定だった第63回文化書道関西展は、残念ながら延期となってしまいましたが、令和3年2月23日（天皇誕生日）に展示のみではありましたが、ヴィアーレ大阪にて開催することが出来ました。

その日は春を思わせる暖かな日で、受付では感染予防対策に細心の注意を払っての開会でした。

会場には西脇呉石先生、西脇雲石先生、西脇韻石先生の御遺墨を中心に本部諸先生方の玉作が飾られ、書道展に重厚さと華やかさを添えて頂きました。

今回の出品数は会員及び準会員の条幅作品51点、学童作品344点、南画作品9点、小作品49点でした。今回、大阪府知事賞を一般部は廣瀬雅翠さん、学童部は森勇気さんが受賞しました。

表彰式は残念ながら出来ませんでしたので、せめて私達のお祝いの気持ちをお届け出来たらと思い、優勝旗と賞状、トロフィーを会場の正面に飾らせて頂きました。

来賓の先生方を御招待することも出来ず、先生方との楽しい交流もなく、寂しい書道展ではありましたが、思った以上に多くの方々が来場して下さり、学童の作品の前で、御家族揃って笑顔で語り合うお姿は明日への希望が感じられ、とても嬉しく思いました。

また会員は、会場でお弟子さんやその御家族の方々とゆっくり語らう時間が持てたのは、貴重な体験でした。

コロナが猛威を振るう中、今まで当たり前だった事が実はとても有難い事だったと気づかされ、そんな中でも書道を続けられる事に感謝しつつ、自分を磨き高めるための書の道を仲間と共に一歩前進したいと思った1日でもありました。

お蔭様で書道展を無事に終える事が出来、感謝の気持ちでいっぱいです。

末筆ながら、今回の書道展に際しまして、本部の先生方に心よりお礼申し上げますと共に文化書道学会の益々の御発展と誌友の皆様の御健勝を祈念致しまして関西展の報告とさせて頂きます。

（二村静州記）