早春賦の歌詞が似つかわしい3月24日、粟津温泉のホテルおびし荘にて、評議員の久保田溪岳先生を講師にお迎えし、書技研究会が開催されました。
当日は始めに石川県連合会総会があり、開会の挨拶では道下祥雲会長より、平成天皇退位に伴い、新しい年号発表の直前に因み、大化から始まる年号の歴史、意義についての話がありました。
総会閉会後、待ちに待った久保田溪岳先生の講義が始まりました。書を生きる人生哲学に心打たれ、力説された中でも特に次の言葉に感銘を受けました。
㈠上手に書いて人に見せようなんて心はだめだよ。
㈡心が変われば字も変わる、まずは人間を造りなさい。
㈢検定は、合格したいと思って書いてはいけない、卑しくなるよ。
㈣詩情...心の絵を紙に託す、無我の心で書けると楽しいね。
さらに西脇呉石先生に至る歴史から筆遣いの基本「露鋒」「蔵鋒」等、意義深い講義をして頂きました。
午後には添削、席上揮毫と進み、久保田先生の詩情あふれる語り口と、天空から舞い降りるような筆遣いに一同、息をのみつつ夕刻まで有意義で夢のような時間を過ごすことが出来ました。
夜は恒例の懇親会が同ホテルにて開催され、久保田先生を囲み、地元の山海の御馳走にお酒も入って、会員の皆さんと共にとても和やかで楽しいひと時を過ごしました。
最後に会員並びに誌友の皆様のご健康、ご活躍と文化書道学会の益々のご発展を祈念申し上げ、書技研究会の報告とさせて頂きます。
(渡邉路石記)