つつじと鯉のぼりで賑わった館林が、少し落ち着きを取り戻した5月12日の日曜日、館林文化会館を会場に評議員の久保田溪岳先生をお招きして研究会が開催されました。当日は会長、副会長が駅まで久保田先生をお迎えし、会員たちの拍手の中、先生は元気なお姿を見せて下さいました。
昼食の後、久保田先生の講義が始まりました。文部省の教科書手本(乙種)を西脇呉石先生が書かれていた時、同時期に甲種手本を書かれていた日高梅溪先生のお話に触れながら、江戸末期から昭和初期の書道史についての講話をして下さいました。
続いて4月に立案された年間計画表に基づき会員の作品批評をして頂きました。今年の古法帖は王羲之の興福寺断碑を取り上げ、百人一首の創作、競書の条幅は前回と同じでした。久保田先生は「作品が多いね」とびっくりなさり、また「随分上達したね、古典の勉強をしっかりしているからだね」と嬉しいお言葉を頂きました。
1カ月が過ぎ去るのはとても早くて、毎回フーフー言いながら課題を書いていますが「継続は力なり」の言葉が身に染みました。特に久保田先生のご批評の中から「余白の大切さ」をご指導頂き、書とは黒と白との芸術だと改めて心に強く刻み込んだ次第です。
また久保田先生のお書きになる姿に感動しながら一筆一筆見入ってしまいました。夕暮れが心配になるまでご指導頂きありがとうございました。
末筆になりましたが、文化書道学会の諸先生方並びに事務局の皆様の日々のご尽力に感謝申し上げ、研究会の報告とさせて頂きます。
(向原春峰記)